1~2年だけ代理店。あとは、インハウス運用がベスト
多くの企業にとって、ネット広告を、インハウス(自社運用)でやるか、それとも代理店(運用代行会社)に委託するか、たいへん悩む所です。
私は幸い、一つの会社で、代理店委託→インハウス運用、という、流れを、実際に体験する機会に恵まれました。
なので、それぞれの長所、短所が、ある程度、分かるつもりです。
そのうえで、自分の考えを述べさせていただきます。
結論からいいますと、
・1~2年、代理店に委託し、その後、インハウス運用(コンサルティングだけ、外部に依頼)
が一番良い、と思っています。
理由をそれぞれ、書いてみたいと思います。
①完全素人が、いきなり広告運用するのは、ハードルが高い
私は、WEB担当者は、ネットをイロハを学ぶのに、基本、独学でいけると思っています。今は、Youtubeだけでなく、udemyなど、様々な動画サービスで、WEBマーケィングを学べる土台が整っています。
しかし、ネット広告の運用は、動画で見るだけでは、身につけるのが難しいと思います。
私も、何年も、広告主として、Google、Yahoo、それぞれの広告アカウントを見たり、レポートのチェックをしていましたが、
いざ自分で、運用するとなると、かなり勝手が違い、戸惑いました。
・入札単価をどれくらい調整したよいか
・どこの機能で、何を変えられるのか
・エディター、MCCなどの操作方法
など。
確かに、とりあえずやってみて、色々覚えれば良いという意見もありますが、とても非効率なのです。
まず、WEB広告の運用の仕方については、ネットに多くの情報が出てますが、短期間で、コロコロと仕様が変わるため、情報の古いサイトが、大変多く見られます。その真贋を、一つ一つ確かめながら、作業するだけでも、膨大な時間がかかります。
それでも、きちんと正しい知識が身につくならいいのですが、大体は、作業時間に追われ、「おそらくこうだろう」くらいで、中音半端な理解のまま、進めてしまうことが多いです。そうなると、後々、苦労します。
なので、最初は、プロの運用者に任せて、その動きを見ながら、アカウント全体の設計、調整する際、まず見るポイントなどを、勉強していくのが、効率的だと思います。
②全てのデータを見れる方が、戦略面で有利
そして、「これは自分でも運用できそう」と確信が持てたら、そこからインハウスに切り替えましょう。
理由は、運用の基本さえキチンと学んだあとなら、「事業理解」がある方が勝てると、私の中で確信があるからです。
実際、私も、運用型広告のスキルは、素人に毛が生えた程度でしたが、それでも、インハウス運用にしてから、さらに成果が伸びて、過去最高のCVとCPAを更新しました。
理由は至極簡単で、広告運用には、「お客様が何を望んでいるか?」への理解が必要不可欠で、そのことを一番分かっているのは、代理店ではなく、事業会社だからです。
また、以前、別の記事でも書きましたが、ネット広告とは、あくまで集客するための一つのツールでしかありません。
CV、CPAという視点ではなく、事業利益を出すためには、どう使ったらよいか?という視点で、考えられるのは、全てのデータを知ることができる事業会社のみ(さらにその中でも、ある程度の権限をもつ人間のみ)だからです。
③インハウスなら、「自社の勝利」だけを考えて行動できるから
また、これは代理店の方は否定すると思いますが、私個人の考えです。
代理店の場合、一人で複数のアカウントを管理します。最近は質を重視する傾向があり、以前より一人当たりの件数が減りましたが、それでも、数十アカウントを管理する、という運用者もまだまだいます。
当たり前ですが、そうなると、1社の勝利だけでなく、全てのアカウントを効率的に回し、全体的に、高得点を取るような運用をするようになります。
しかし、クライアントからしたら、他はどうでもいいので、自分の所だけ、最高の結果を出してほしい、というのが、正直な気持ちでしょう。
これは代理店が組織である以上、避けられない問題です。
なので、一社の勝利だけを考え、他の全ての犠牲にできる「インハウス運用」が私は、一番勝ちやすいと思っています。
問題は、最初のハードル面だけなので、そこだけ外部の力を借り、やってみるのはいかがでしょうか。